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KENWOOD  U383MS   ラジオ部評価

 (有)LSIサポート

                                                                                 2013/3/14


KENWOOD U383MS




メイン基板写真 
両面基板で裏面にも少量の部品が載っている
CDメカレスのため奥行きが短い
黄色線で囲った部分がラジオ部




ラジオ部拡大写真

 ケンウッド製のカーステレオ、U383MSのラジオ部を評価しました。このカ-ステレオは、2013年3月発売で、定価は8400円のモデルです。CDメカレスのためソースは、AM/FMラジオ、iPod,iPhoneとUSBメモリーです。

 CDメカが無いため奥行きがかなり短くなっています。製品カタログでは35%カットと書いてありますが、感覚的には半分くらいの感じです。

 私は以前からUSBメモリーが使えればCDメカは必要ないのではないかと思っていました。今後、カーステレオはCDメカレスというスタイルが主流になっていくかもしれません。カーステレオメーカーにとっては、付加価値が減るため単価が下がってしまうという難しい面はあるでしょうが。

 なお、CDメカレスのセットは、既にパイオニアからもMVHというシリーズで何機種か発売されています。

 右写真がメイン基板で、その下の写真がラジオ部拡大写真です。

 ラジオ部のICはNXPセミコンダクターズ社製のATOMICシリーズのTEF6614です。先月評価したアルパインのCDE-121Jに搭載されていたTEF6607と同シリーズのICです。NXP公表の資料によると、このTEF6614は、RDS対応版でDemodulator内蔵(Decoderはなし)となっています。 ただ、RDSは欧州でのFM付加システムですので日本では関係ありません。

 ラジオ部の主な外付け部品はアルパインのCDE-121Jと同じで、

●FMRF入力部に5mm角のトランス、


●4Mhzのクリスタル発振子、


●電源ラインの100μF電解コンデンサ、

●AMRF同調用のチップインダクタ2ヶ、

などです。

 このATOMICというIC搭載のセットを評価していると、このICが売れてる理由が良く分かります。

 まず、外付け部品が非常に少なく、またICパッケージは大きめなので扱いやすくなっています。基板の裏面を全面GNDにすれば、だれでも簡単に性能が出せそうです。これはセット担当者にしてみれば大きなメリットです。

 その上でこれが重要ポイントですが、基本特性がしっかりとしていて、ビート発生ポイントもなく、ICとしての完成度が高いのです。

 たしかに、DSP処理のICと比較すると、IF選択度、歪率、S/Nなどで劣りますが、一般ユーザーから見れば問題ないレベルかと思います。

 欠点としては、FMの離れた妨害時の特性が、(RF同調回路が無いため従来チューナーと比較すると)かなり悪く、また、AM 感度、AM 低域の歪率、FMのノイズキャンセラ特性があまりよくないことなどです。

 このATOMICシリーズですが、セパレーションコントロール、ハイカットコントロール、ソフトミュートコントロールの設定の自由度が大きく、カーステレオメーカーが独自に設定できるようなっています。そのため、同じATOMICのIC搭載セットでもカーステレオメーカーごとに味付けの違う特性になっています。


 特性面での特徴

1.F特は、初期状態では、10Khzが1dBdown、ラウドネスもON、になっていました。F特フラットに補正するため、TREを[+1] 、ROUDNESS[OFF]、EQ[NATURAL]に設定しなおしてから測定しました。VRは[27]にて測定しました。

2.FM,AM  共にビート発生ポイントはありません。

3.FM,AM  S/N、歪率、は標準的で素直な特性です。FM時のAMR(AM成分抑圧)も優秀です。

4.FM 100%変調時の弱入力時(10dBμ付近で)波形がつぶれます。IFFILTER制御で帯域が狭くなるためです。また、IFFILTERの制御はヒステリシスがあります。

5.FM  ソフトミュートの応答時間、リカバリーが1.5秒と非常に遅いです。アタックは瞬時です。

6.FM ハイカット&セパレーション制御は、入力レベルとAM成分で制御しています。変調度では制御していません。

7.FM  ハイカット制御は、10KhzのMAX減数量が―6dBと浅い制御になっています。

8.FM,AM  共にノイズキャンセラは機能しています。 ただし、FM時はノイズ切り残しが目立ちます。

9.FM,AM   SEEKは、

   FM:76M~90M 100Kステップで一周 約3秒、STOP感度は22dBμ、

   AM:522K~1620K  9Kステップで一周 約8秒、STOP感度は32dBμです。

10.AM 弱入力ハイカット制御はありません。

11.AM 実用感度が悪目です。

12.AM 低域(100hz付近)の歪率が悪いです。

12.AM 妨害特性は混信はあるもののかなり良い特性です。特に⊿400Khzなどの遠妨害時は優秀です。

13.AM 入力レベル急変動で 強入力→弱入力時、出力が安定するまで1秒くらいかかります。






測定結果を以下に示します。


表1.KENWOOD U383MS ラジオ部ポイントデータ

項目 測定値 備考
  FM
実用感度 [dBf] 8.9(3.9dBμ) 弱入力でIFFILTER制御アリ

S/N 30%[dB] 60.6

THD100% [%] 0.38  
SEP 30%[dB] 41.2 変調度による制御はナシ 
AMR(FM30%,AM80%) [dB] 59.1  
ImageRej [dB] 74(upper時)
72(lower時)
upper、lower自動切替アリ
76M時 77dB,72dB, 
90M時 78dB,72dB
 
2信号選択度⊿100khz [dB] 0(mod100%時)
25(mod30%時)
 
IM(Fu=⊿800K,1600K、100dBu入力時 S/N30dBとなるFd) [dBμ] 37 +側と-側の平均値 
  AM
実用感度1k[dBμ] 30.8 弱入力ハイカットはナシ

S/N 30%[dB] 54.8
THD80% [%] 0.22  
ImageRej [dB] 64(upper時)
65lower時)
upper、lower自動切替あり
522K時 67dB、66dB
1629K時 60dB,61dB  
選択度(S/N10dB)⊿9khz [dB] 32  


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以下にカーブデータを示します。


 
   
   
   
   
   
 
 
   
   
 
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