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チューナー基板(ラジオ基板)設計法HEADLINE

2013/5/30

 
チューナー基板(ラジオ基板)のパターン設計について説明します。なおここでは、2Ghz程度までの集中定数での基板パターン設計について説明しています。

パターン設計のポイント

チューナー基板設計でのポイントは以下のようになります。

1.GNDはベタアースが基本

2.パスコンはICのPIN直、PINtoPINに置く

3.VCO用のコイル外付けの場合は、ICとコイル間のパターンは出来るだけ短く太く

4.ICとクリスタル発振子間のパターンは出来るだけ短く

5.共振回路のコンデンサとコイルのパターンはひっぱり回さない

6.RFAGCのATT用pinDのGNDはアンテナGNDの近くに

7.アンテナGNDは広くとり、金属筐体にがっちり接続

8.片面基板の場合は、ジャンパー線をけちらず、GND優先に

1.GNDはベタアースが基本

 チューナー基板設計で一番重要なポイントがこのベタアースです。実験などでチューナーの回路を組むとき、右写真のような銅箔の板(エッチングする前の基板)上に回路を組んだ場合が一番安定して性能も出ます。プリント基板を設計する時も、この状態を意識してパターン設計をします。

 両面基板の場合は、片側をGND主体の面にし、もう一つの面をパターンや部品を置く面にします。GNDに落とすところはスルーホールを使ってGND面に落とすようにします。
また、パターンや部品側の面も、空いている部分はGNDパターンで埋め尽くし、ICの直下もGNDパターンにします。
 とにかくGNDで埋め尽くすことが基本になります(分布定数の場合は違う)。

 ●ブロックごとのGND分離については、

 信号ブロックVCOブロックPLLブロッククリスタル発振ブロック等は、経験上分離しないほうが、特性も出ますし、ビートノイズに対しても有利です
 ただし、DSPチューナー(DSPラジオ)の場合は、デジタル処理部のGNDは分離が必要です。クロックの高調波がRF段に回り込みビートノイズが発生しやすいためです。

 ベタアースのイメージ図をFig.1に示します。
 


 なお、チューナーのプリント基板はベタアースが基本ですが、IC内のメタルパターンは、チューナー用ICでもICのpinを起点とした一点アースが基本になります。これは、IC内の配線パターン(メタルパターン)は、インピーダンスが大きくブロック間の干渉が発生しやすいためです。

 参考に、IC内のパターンである一点アースのイメージ図をFig.2に示します。
 



 ●その他ベタアースで注意する点は、

 VCCやREGラインのためにGNDパターンが分離されないようにすることです。
 VCCラインやREGラインは、GND面も利用しないとパターンが書けない場合が多く、そのためGNDが分離されてしまうことがよくあります。この場合GNDはつながってはいるものの端の方で細く、という感じになってしまいます。
 そういう場合は、スルーホールを使ってVCCラインやREGラインの一部を他方の面に移動し、GNDが分離しないようにします。

 Fig.3にVCCラインによってGNDが分離されているパターンを、Fig.4に改良したパターンを示します。



2.パスコンはICのPIN直、PINtoPINに配置


 パスコンは、最優先でICの近く、PIN直に配置します。また、どのPINとどのPINの間に入れるのかを意識して、PINtoPINに配置します。たとえば、VCCやGNDのPINがそれぞれ複数であるようなICは、対応するVCCとGNDを確認し、そのPIN間に配置します。

 また、ICメーカーがICのPIN配を決める時は、パスコンを配置しやすいPIN配にすることも必要です。 


3.VCO用の外付け部品は出来るだけ短く太く
4.クリスタル発振子のパターンは出来るだけ短く


 VCOは、最近のICは内蔵素子で構成できるようになってきましたが、コイルなどを外付けで構成する場合は、パターンは出来るだけ短く、太くします。パターンのインダクタ成分が影響して、発振周波数が低くなりやすいからです。特に、イメージキャンセル量UPのため4倍の周波数で発振させている場合などは、発振周波数が400Mhz付近と高くなるため、パターンの僅かなインダクタ成分が効いてきます。

 上記のことは、クリスタル発振回路の部分にも言えます。クリスタルの場合は発振周波数がそれ程高くないので、VCOほどシビアではありませんが、インダクタ成分があると発振余裕度が下がる懸念があります。よって、できるだけICの近くに配置し、パターンが短くなるようにします。 また、近くに他の信号ラインを通さないようにし、発振子の直下にはGNDやVCCパターンもなるべく避けるようにします。


5.共振回路のコンデンサとコイルのパターンはひっぱり回さない
6.RFAGCのATT用pinDのGNDはアンテナGNDの近くに
7.アンテナGNDは広くとり、金属筐体にがっちり接続


 共振回路(同調回路)のコンデンサとコイルは近くに配置しパターンも短くなるようにします。また、空芯コイルを複数使う場合は、結合させないために同じ方向に並べず、直角になるように配置します。更に空芯コイル直下にGNDパターンがあるとL値が小さくなってしまうため、空芯コイル直下はGNDパターンをはがします。

 また、RFAGCのATT用のアンテナダンプするpinDのGNDは、アンテナGNDの近くに落とすようにします。離れたGNDでは、ATT量が少なくなってしまうためです。

 更に、ANTGNDは出来るだけ広くとり、(カーラジオの場合は筐対が金属なので)筐対にビス止めか半田でがっちり接続します。このアンテナGND部分の接続が不十分な場合はノイズ耐性が悪くなり、感度が悪化します。

8.片面基板の場合は、ジャンパー線をけちらず、GND優先に


 コストダウンのため片面基板を使うこともありますが、片面基板は、両面基板に比べてパターン設計が難しくなります。GND優先の面が設けられないため、GNDの面積が小さくなってしまうからです。

 基本的な注意点は両面基板の時と同じですが、「ジャンパー線はけちらずにGNDパターンを優先する」「僅かなすき間もGDNで埋め尽くす」ようにしてパターン設計します。